レンダラー開発ガイド¶
独自のWebフレームワークやネイティブプラットフォーム(iOS, Androidなど)向けに、新しいA2UIレンダラー(クライアントライブラリ)を構築したい開発者のためのガイドです。
レンダラーの責務¶
レンダラーには、以下の主要な能力が求められます:
- メッセージ受信とバッファリング: ストリーミングされたJSONLメッセージを正しく受け取り、処理待ちのリストに登録する。
- プロトコルの解釈: A2UIのメッセージタイプ(
surfaceUpdateなど)を理解し、現在の状態(State)に反映する。 - 隣接リストの管理: IDベースで管理されたコンポーネントの親子関係を、プラットフォームのUIツリーに変換する。
- データバインディングの実装: JSON Pointerパスを監視し、データモデルが更新された際にUIを動的に更新する(リアクティブな動作)。
- ライフサイクルイベントの処理: コンポーネントの表示、更新、削除を管理する。
実装ステップ¶
1. メッセージプロセッサの作成¶
JSONメッセージを受け取り、内部の「サーフェス」オブジェクトの状態を管理するハブを作成します。
2. コンポーネントカタログの定義¶
A2UIのコンポーネントタイプ(例:Text)を、対応するプラットフォームのウィジェット(例:Flutterの Text やHTMLの <span>)に変換するためのマップを作成します。
3. バインディングエンジンの実装¶
path プロパティを持つコンポーネントが、データモデルの特定の値が変更されたことを検知して再描画(Re-render)する仕組みを実装します。
4. アクションとイベントの送信¶
ユーザーとの対話(ボタンクリックなど)を検知し、エージェントに送り返すためのアクションプロバイダーを実装します。
重要な課題:隣接リストのレンダリング¶
ツリー構造ではなくフラットなリストであるため、ルート ID から再帰的に辿ってUIツリーを構築する必要があります。
// 簡略化された擬似コード
function renderComponent(componentId, allComponents) {
const data = allComponents[componentId];
const componentType = getComponentType(data);
const children = data.children.map(id => renderComponent(id, allComponents));
return createNativeWidget(componentType, data.props, children);
}
パフォーマンスの考慮事項¶
- 差分更新: すべてを再描画するのではなく、変更があったコンポーネントのみを更新してください。
- 遅延レンダリング: 画面外の要素や、まだデータが揃っていない要素の処理を最適化してください。
- メモリ管理:
deleteSurfaceが呼ばれた際、関連するすべてのリソースを解放してください。
適合性テスト¶
新しいレンダラーが正しく動作しているか確認するために:
✅ すべての標準コンポーネントを表示できるか?
✅ 複雑にネストされた隣接リストを正しく構築できるか?
✅ リアルタイムの dataModelUpdate がUIに反映されるか?
✅ ユーザー入力が正しくデータモデルを更新し、サーバーに送信されるか?
✅ ダークモードやレスポンシブデザインに対応できるか?
次のステップ¶
- ロードマップ:現在進行中の他のレンダラーを確認し、重複を避ける。
- プロトコル詳細:完全なメッセージ仕様の理解。
- 既存のコードを読み解く:AngularやLitの実装は良い参考になります。